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失語症の看板は下ろさない

6月5日(土)読書会を開きました。課題本は『言葉を超えて』です。

NPO法人Reジョブ大阪の読書会はいつもそうなのですが、様々な立場の人が参加してくださいます。ありがとうございます。

この日も、当事者、言語聴覚士、支援者が集合。皆の立場からこの本の感想を語り合いました。この日は第1章「失語症とは」立石先生がお書きになった章です。

聞く、話す、読む、書く、それぞれの症状について自分の困りごとをシェア。そのあとは「誤解」というテーマで話し合いました。

失語症の最大の問題は、黙っていれば外から理解されにくい障害である

『言葉を超えて』p.13

この点について、大きく二つの考え方がありました。ひとつは「黙っていれば分からないのだから黙っていよう」というもの。内緒にしておくという意味ではありません。何度説明しても分かってもらえないので、もう、黙っておいて、話は気の置けない友人とだけにするという意見でした。もう一つは「失語症の看板は下ろさない」自分は失語症だと言い続ける、表明し続けるというものです。

どちらにしても、支援者としては、考える価値のある意見です。説明を諦めてしまい「話すのは自分の家族と中の良い友人だけでいい」というのは、本人にとっても社会にとっても大きな損失です。これはやはり当事者が悪いのではなく、社会に障害がある状態です。また説明をあきらめず、毎回毎回がっかりしながら、それでも自分は失語症だと訴え続けるのだという意見。こんな努力を当事者がしなくてはいけない社会こそ、変わるべきですよね。

NPO法人Reジョブ大阪は諦めずに高次脳機能障害のこと、失語症のことを一人でも多くの人に知ってもらう活動を続けていこうと再決意したのでした。

次回は7月3日(土)20時~
第2章(1)、(2)が課題です。お楽しみに。
今からの参加も大歓迎です!

お申込みはこちら

https://forms.gle/R9BSzj8V5DXXjZCcA

詳細はこちら

読書会、次回は7月3日です。
今からの参加も歓迎!
世の中冷たく感じても、こういった安心安全の場で意見を言うことも、良いリハビリだと思います。