「東大阪え〜わの会」主催の講演会に行ってきました
大きな意味を持つ、当事者が主催する講演会
私たちNPO法人Reジョブ大阪の当事者会で合流することが多い「東大阪え〜わの会」は、ご自身も高次脳機能障害者である松永さんが、2011年に立ち上げた当事者会です。毎年、講演会を主催しており、100名以上の方々が参加しています。何年も会を継続させてきた代表の松永さん。彼の思いは、こちらの記事を是非ご覧ください。
橋本先生と当事者のトークセッション
今回は、リハビリの専門家で、多くの高次脳機能障害者を診察して来られた橋本圭司医師(はしもとクリニック経堂院長)が登壇されました。そして、先生と当事者のトークセッションがありました。この当事者の声が聞きたいと思って参加した医療者は、多いと思います。社会に戻った彼らが、どのような苦労をしているのか、仕事では何が困っているのか、病院ではわからないですから。
登壇した3名は、脳出血、交通事故、脳梗塞が原因で高次脳機能障害者となった方々。見た目では分かりませんが、極軽い麻痺がある人が2名、軽度麻痺が方が1名です。3名とも「前の自分とは違う」「こんな人生のはずではなかった」という悔しい思いや、できないもどかしさを周囲にわかってもらえない辛さについて、話をしていました。中途障害、見えない障害ならではの悩みです。しばし障害の大変さについてトークが進んだあと、橋本先生からこんな質問が……。
「ところで、病気になって、何か得たものはある?」
「病気になって変わったことは、障害者についてよくわかるようになったことです。それまでだったら、見て見ぬふりというか、他人事のように思っていたけれど……。あ、僕、悪い人ですね。(笑)」
「自分がいざ病気になり、障害者となると、いろんな人の気持ちがよくわかる。車椅子の人がいたら、手伝おうかなとか。昔の自分だったら絶対に思ってなかった」
「今ここにいる仲間とも知り合うこともなかった。こんな活動もしてなかっただろうし。それはよかったことです」
つながれば大きな力に
今、全国で高次脳機能や失語症の当事者会が増えているそうです。一つ一つの会は小さいかもしれませんが、つながれば大きな力になっていきますね。
「少しずつ社会が変わってきている気がする」と、長年この領域で仕事をしてきた橋本先生は、何度もおっしゃってました。
また、え〜わの会の資料にこうありました。
「地域に理解が広がる」→「高次脳機能障害に対する福祉のサービスや支援が充実」→「就労など社会参加が当たり前にできる社会へ」
大きくうなずきながら拝読しつつ、「仲間をつくりたい」という思いで会を立ち上げ運営してきた松永さん、立花さんに心から拍手を送りたいです。
余談ですが、立花さんは、以前、わたしが時々リハビリを担当していたのです!不思議なご縁にびっくりしました。
つづきはこちら。
西村紀子のブログでは、橋本先生の講義について、考察を書いてあります。こちらも是非ご覧ください。