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私たちの啓発活動が、子どもたちの心に残したもの

「ちょっと緊張するー」

「どんなお話なのかな」

「夏休みの宿題が本当に今日終わるの?」

普段のイベントの時とは少し違うセリフが聞こえてきます。7月27日午前10時Reジョブ大阪では初の親子向けイベントです。

私たちReジョブ大阪は、脳損傷患者の障害の話を伝える活動をしていますが、今回は夏休みということもあり、親子向けのイベントを開くことにしました。子どもたちにただただ話を聞かせるのではない形にしたいと思い、お話で聞いたことを「自由研究」という形でアウトプットする方法にしました。夏休みの宿題を1つ終わらせてしまおう!ということです。

まずは、たこしょうかい。親が子の、子が親の素敵なところを紹介し合いました。「小さい子の面倒をよく見ます」「お手伝いをよくしてくれます」どれもこれも、こころがふわっと温かくなる素敵な紹介でした。

次に、Reジョブ大阪の松嶋が、たまたまこういうことを仕事にしているので(笑)「お話を聞く時の記録の取り方ミニ講座」を開催。

たとえばある先生が何かのお話をした時、生徒のノートはどれも似たり寄ったりのものになります。先生が話したことの断片的な要約です。これは子どもに限ったことではありません。そしてレポートを書かせた場合も、個性はそこには出ません。大人のセミナーの場合なども同じです。セミナー受講者のブログを読んでも、新しい価値が見いだせないのです。 でも、そこに自分の感想や思い、考察のきっかけになるような問いを書こうと思えば、話を聞く姿勢そのものが変化します。

だからお母さん、「あとでどんなお話だったか聞かせてね」と行ってからテレビを見せるといいのですよ。たかがアニメでも主体的に見るようになります。

続いて、Reジョブ大阪の西村の、記憶の話を中心にした脳の講話です。 短期記憶と長期記憶の話や、陳述記憶と被陳述記憶の話など、少し難しい話も、子どもたちに身近なことを例にあげて説明すると、分かりやすいようでした。いえむしろ、こちらが驚くほど、子どもは理解が早いものです。ちょっぴり羨ましいくらいでした。

「記憶力をアップさせる方法」のお話では、「記憶が一番良いとされる7歳の子どもに物事を暗記させ、川に突き落として怖い思いをさせると、その子はその時覚えたことを一生忘れない」という中世の記録方法に子どもたちは釘付け。それはそうですよね。現実的にそのくらいの年なのですもの。子どもたちはここで「こわい、いやだ」と思ったことをメモに書き留めています。ここで書いた感想はその後、ではどうしたらいいだろう?という考察につながります。 最後に、記憶とはひとの人生そのものである、というお話をして、西村のコーナーは終了です。ここはどの子も心に響いたようです。ぼくのおじいちゃんにしてあげたいこと、という感想をレポートにまとめていた子もいました。西村の思いが子どもに伝わったのですね。

さて、またまた松嶋にバトンタッチ。次はアウトプットの方法です。記録したものを発表の形に! まず、自由研究発表の基本形式について解説。今回は一般的な形式を教えました。

もちろん、アウトプット形式はなんだっていいんです。絵でも動画でも作文でもいいんですね。絵が大好きな子に、そういうアドバイスもしました。 ここで一番大事なのが「5」なんだよ、そうすると同じ講座を受けても、誰一人として同じレポートにはならないんだよと話をすると、親御さんから「ほー!」という声(笑) そして、今回は8枚のスライド用紙だったけれど、8枚とも全部書かずに、一番気になった1枚を選んであとは書かなくていいんだよと話をすると、親御さんから「へー!」という声(笑)

ここからが松嶋の本業、文章の個別指導です。断片的なメモをどう文章化するか、ひとりひとりにアドバイスをしました。「わあ、すごい、本当に文になっちゃった」そんな声も。

ここで、一旦休憩し、みんなでランチタイム。 西村が美味しい食事を作ってくれました。小豆のカレーライスと豆腐のサラダです。 小豆のカレーは小豆の煮汁ごと使ったそうです。 さて、豆腐のサラダ。なぜ豆腐にしたかというと、実は、脳は豆腐くらい柔らかいのです。正確には卵豆腐くらいと表現します。

「脳ってこんなに柔らかいんだ」「大事にしなくちゃね」 子どもたちは身をもって体験し、記憶に残したことでしょう。

脳はお豆腐くらい柔らかい。だから、絶対に叩いちゃいけないし、振っちゃいけないし、転ぶのも危ないから自転車に乗るときはヘルメットをかぶろう。そういうことがよく分かる例だと思います。

食事中に、西村がそれぞれの親子から質問を受けています。 「悪い記憶って消せるの?」「脳の重さってどれくらいなんですか?」いろんな質問が出ました。

食事が済んだら、いよいよ紙に仕上げていきます。みんな、心に残った1枚のスライドで思いや考えを深めていきます。広く浅くではなく、狭く深くするほど、その子の個性が出てくるんですね。

他にも、もっとおじいちゃんと遊ぼう、ちゃんと頭を守るようにしよう、様々な感想がありました。私たちの啓発活動が、子どもたちの心に残したものは、知識だけではなかったこと、少し誇りに思う、夏の始まりでした。

しばらくして「完成しました!」というメッセージが届きました。 まずは小学校2年生の男の子。 事実と感想がしっかり分けられて書いてあります。感想も全部自分の言葉なんですよ。絵も上手!

次は小学校6年生の女の子。さすが6年生。自力で気になったところをもう少し調べたようです。 今後にどう活かすかまで書かれていますね。 今後について書いてあるということは、自由研究が夏で終わりにならないってことです。 素敵ですね。 全6ページです。一部割愛します。

小学校3年生の女の子からも届きました!

タイトルにオリジナリティがありますね。そして追加で本も読んでいてえらい!

小学校2年生の女の子からも届きました!

こちらもタイトルが面白いです。海馬の海馬たる所以が描かれています!

こちらも2年生の男の子です。よく調べてありますよね! 数枚あるレポートの一部です。

こちらは小学4年生の男の子。説明がとても上手です。こちらもレポートの一部を紹介します。

こちらは5年生の女の子です。「情動」について自分で調べてみたのだそう。大人が読んでも、気づきのあるレポートです。こちらも一部です。

このイベントはまた来年も開きます。その時にみなさんの笑顔にお目にかかれますよう。

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Reジョブ大阪 松嶋