失語症講習会レポート4「本当の支援」

障害を持つ前の知り合いに会いたくない
先日、東京都失語症者向け意思疎通支援者養成講習会第2回に参加してきました。まず、言語聴覚士山本先生の講話。これは、失語症のある方から聞くことがよくあるそうです。
失語症の方は、「話しかけられた内容を全部は理解できない」「急な話題変化に対応できない」などの障害により、コミュニケーションが取りづらくなります。その結果、退院後、会社だけではなく社会に戻れなくなってしまう人が多いとのこと。この障害のために、ひきこもりがちになることも多いそうです。
そして、失語症の場合、社会につなげる役割、つまり、社会復帰の手助けから、お買い物や役所手続きまで、今までその役割は、家族、特に女性に委ねられてきました。それを一般の人も知識を身につけ、そこを担おうというのが、今、私が受講している「失語症者向け意思疎通支援者養成講習会」というわけです。
「ご家族の負担を減らしたい。」そういう想いだと山本先生は仰っていました。
母が、嫁が、娘が。日本風土? 独特の介護者
以前から、理事の間でも話題になることがあります。障害のある人が、いわゆる「身内」に出た場合、その家族だけで何とかするという風土が日本にはあります。この「身内」という言葉も実に日本的ですよね。日本では、子どもが小さい時は親が、大人になったら配偶者が、年を取ったら子どもが、弱い者の面倒を見るという風土があります。でもこれからは、ますます支援を要する人が増えていきます。もう「社会全体」で救わないと、そういうしくみを社会に作らないと間に合わない時代が来ています。そして、これはけして他人事ではなく、いつ我が家の出来事になるのか分からないのです。
本当の支援
失語症に関して、確かに支援は必要ですが、何もかも助けてはいけないと山本先生は仰っていました。
望まない支援
- 代弁
- 訂正
- 待たない状態
- わかったふり
いよいよ次回から具体的な方法を学びます。
また、第二部の黒川容輔先生による「派遣事業と意思疎通支援者の業務」では、支援者は、教えたり正したり導いたりする立場ではないということも学びました。また介護とも違うのだそうです。
この講習は、私の本業である教師業にもとっても役立ちそうです! 今後も楽しみです。
NPO法人Reジョブ大阪
理事 松嶋有香