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疲れてから休憩を取るのでは遅い

休憩は時間を決めて

 よく、喉が渇いてから水をとるのでは遅いって言いますよね。喉が渇いている時には、体内の水分はかなり足りなくなっている状況。既にあなたの血液はどろどろなんです的な。休憩も同じ。

NPO法人Reジョブ大阪では毎月『脳に何かがあったとき』という冊子を発行しています。2022年12月号は、チームメンバーである、大場先生、山口先生お二人の専門家に、それぞれの立場から、高次脳機能障害のある方の「就労」についてお話を伺いました。また、実際に就労支援施設を運営している、合同会社わくわく堂の辻様にもご寄稿いただきました。取材をした中で、就労に関することは冊子に掲載していますが、ページ数の関係で割愛した記事があり、これまた素晴らしい内容なので、先生の許可を得て記事を公開します。

大場先生の原稿より

 脳損傷のある方の「易疲労」の感覚は、健常者の「疲れ」とはかなり感覚が違うのですが、そこはなかなか分かってもらえないところもあります。実は、本人もそうなんです。

「話している途中で、頭が重くなったり、真っ白になったりすることは感じていたけど、それが脳性の疲労だっていうことは、専門家に指摘されるまでは分からなかった」という人が結構多いのです。

 なので、データを取ることが大事です。ミスの回数を計測し、自分は何分に1回休憩を入れるべきかということを客観的に調べて、その資料をもとに休憩の相談をしていきます。適切な休憩を入れた方が、脳への負担が少ない分、いいパフォーマンスが維持できます。そういうことを、会社にだけでなく、実は本人にも分かってもらうことが必要です。

 本人は、職場に戻れた時、スピード感、自分が仕事ができるというアピールをしたくなるんですね。良いところを見せたいみたいな。しかし、継続していいところを見せるためには、むしろ適切な休憩を入れた方がいいんです。それが何分に1回の休憩なのか、きちんと調べること。

 喉の渇きと一緒で、本人が疲れを感じた時には、もうかなり認知資源が枯渇してしまっている状態。疲れを感じてなくても、決まったタイミングで休憩を入れること。

 特に、良い波に乗っているように感じる時、作業興奮状態にある時は、それを中断してまで休憩を取るということが、もったいないと感じるかもしれません。で、結局吐き気がするまで頑張ってしまい、帰宅するのも大変というような話も聞きます。長期的なパフォーマンスを考え、データから時間を割り出し、ちゃんと休憩をコントロールした方がいいでしょう。

この『脳に何かがあったとき』は、通常は会員になった方にお届けする冊子なのですが、12月号は単体で発売中!限定30冊は即完売。20冊だけ追加受け付け中。残りわずかです。お早めに。

https://forms.gle/YMsEzr3L8YDATusH8

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