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震災。障害者に対してできること。

NHKの調査によると、2011年の東日本大震災では、障害者手帳を持つ人の死亡率は、全住民の死亡率の2倍に上ったのだそうです。

こんにちは。Reジョブ大阪の松嶋です。3人の理事のうち、私だけ東京に住んでいます。今朝、大きな近畿地方で地震がありました。急いで理事3人で共有しているMessengerに「大丈夫?」と送ったところ、西村さんの家ではグラスが割れ、石原さんはエレベーターが止まったと返事が。返事が届くだけでも有り難いことです。二人とも怪我なく、安心しました。『知っといてぇや』の著者、下川さんも無事だと分かりました。「うちは基礎が丈夫なんです」とのことでした。

このような災害時にパッと動けて、サッと身を守れる人たちはいいのですが、大変なのは弱い人たちです。

視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者、精神障害者、知的障害者、発達障害者、内部障害者、難病患者、認知症患者、高齢者、そして高次脳機能障害者。簡単に想像してみただけでも、ゾッとします。

目が見えない、耳が聞こえない、体が動かない……

いったいどうやって助かれというのでしょう? もし、自分が無事なら、そういう人たちをできるだけ助けてあげたいですよね。しかし、私たちはそれぞれの症状について、専門的な知識があるわけではありません。また非日常の中ならなおさら、何をどうしたらその人達の助けになるのか分かりません。

素晴しいサイトがあります。

災害時障害者のためのサイト

http://www6.nhk.or.jp/heart-net/special/saigai/index.html

色々準備中のところもありますが、障害別の支援方法がとても分かりやすいです。

例えば、高次脳機能障害者。これと言う決定的な特徴があるわけでもなく、人によって症状や重症度も違います。でも、ここを読んでおくだけでも、ずいぶんすべきことがはっきりします。

上記サイト「高次脳機能障害者」に関して「支援する方へ」より

【支援のポイント】

高次脳機能障害の人は、交通事故や頭部のけが、 脳卒中などによって、脳に損傷を受けており、言語や記憶、思考、空間をとらえる能力などの機能に 障害が起きています。症状の現われ方は個人差が大きく、 外見からは分かりにくい障害のため 一人一人の状況にあわせた支援が必要です。

情報の伝え方

話をする時は、ポイントを絞って、ゆっくり、はっきり、具体的に伝えてください。絵や図、写真などを添えて話をすると、理解しやすい場合があります。情報を見落としたり忘れたりしてしまうこともあるため、大切な説明は、メモに書いて渡すようにしてください。言いたいことをうまくまとめて話せない人や、言葉が出にくい人もいます。 その場合は、こちらから声をかけるようにしてください。

避難先での支援

イライラしている様子の時は、静かなところで落ち着くのを待って話を聞いてください。混雑している場所では、迷うことや、人や物にぶつかることがあります。目的地までの誘導を行なってください。

引用ここまで

このサイトでは、当事者に対しても、避難する時の持ち物、普段からの備え、災害が起きたら、などの項目に分けて情報を整理してあります。

今日14:00現在まだ「支援情報」がアップされていないのは非常に残念なことですが、かといって、このサイトの理念が崩れたわけではないと思います。苦情を言うばかりでなく、避難所に情報があれば、メールでNHKに伝えるなど、私たちにできることで補っていったらいいのだと思います。それが災害時に人間ができることかと私は感じます。

実際の避難所では、スタッフは障害者まで手が回らない、目が行き届かない可能性も高いです。もし、自分が元気で、助けたいという気持ちがあり、支援する方法を知っていたら、きっと助かったり安心したり人も大勢いるのではないでしょうか。

私を含め、健常者ができることは障害者の何倍もあります。そして、こういうときにこそ、普段の備え、普段の知識が活きるのだと思いました。