すべて見る

メールマガジン創刊号

こんにちは。NPO法人Reジョブ大阪です。認定がおり、ようやくNPOの活動としてメールマガジンを発行できる手はずが整いました。今回は創刊号ということで、法人設立前のReジョブ大阪の活動、キックオフパーティやクラウドファンディングなどに参加してくださいました皆様全員に特別に送信しています。第2号以降も購読したいという場合は、是非、賛助会員への登録をお願いします。Reジョブ大阪では、ただいま、賛助会員を募集中です。

■賛助会員の特典

  1. 脳損傷患者の社会復帰、家族支援に関するメールマガジン
  2. 自分の為、友達の為、いざという時の相談料、初回無料
  3. 患者さんのリハビリなどを支援

年会費は6,000円です。月に換算すると500円。ワンコインで困っている人の様々な支援ができます。詳しくはこちら。 re-job-osaka.org/nyukai

それでは、Reジョブ大阪のメールマガジンをどうぞ!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次

  1. 医療現場から「患者力を付けよう」……「先生、もう少しリハビリしたい」あなたは医者に言えますか?
  2. 田植えで拡がった繋がり……行動することで新たな繋がりができました!
  3. 402円の衝撃!……本の発送を障害者施設に依頼。払ったのはたったの402円!
  4. 活動報告&お知らせ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1 医療現場から「患者力をつけよう」

みなさん、こんにちは。言語聴覚士の西村紀子です。大阪市内の脳神経外科病院に勤務しています。この春、NPO法人Reジョブ大阪を設立しました。このNPOでは「直接ではなくても、いつか誰かの支えになる」そういう啓蒙活動をしていきたいと思っています。このメルマガも、読み終わったあと、削除せず、なんとなくで良いので取っておいてください。そしていざという時に、もう一度読んで下さればと思います。どうぞ末永くお付き合いください。

今回は創刊号ということで、障害者でなくとも、皆さんが病気になった時に必ず役に立つ行動の取り方についてお話しします。この話、ぜひ広めてくださいね。

まずは、リハビリ職の中では一般にあまり知られていない言語聴覚士についてお話したいと思います。

言語聴覚士は、もとは聾学校や発達障害のお子さんを対象とした「言葉」に関する療育から始まった専門職です。同じリハビリの仕事でも、理学療法士、作業療法士は1965年に国家資格となっていますが、言語聴覚士は、1997年に言語聴覚療法が制定され国家資格として認められた、医療業界の中では比較的新しい職種です。なぜ言語聴覚士だけ遅れたのでしょう。それは、日本では、立ったり歩いたりの基本的な運動や、排泄や食事など日常生活の中での身の回りの活動に比べて、コミュニケーションに関して重要視されてこなかったためです。簡単に言うと、患者さんが、基本的な運動ができるようになる、身の回りのことができるようになることを優先し、コミュニケーションが取れるようになることの訓練を後回しにしていたということです。現に数年前まで、同じリハビリの仕事をしても言語聴覚士だけお給料が低いなんて当たり前だったくらいです。

このような待遇の日本に対して、スピーチの国であるアメリカでは、言語聴覚士協会は100年前に設立され、女性の憧れの仕事トップ12内に毎年ランクインしており、お給料も地位も高いのです。お国柄が表れていて面白いですね。日本も遅ればせながら、コミュニケーションの重要性が見直されたという状態です。

この言語聴覚士、どんなところで働いているかというと、病院などの医療が7割弱、介護老人施設や訪問リハビリなどが2割、聾学校などの教育関係は1割未満です。有資格者は約3万で女性が7割超、このうち半分が就労しています。逆に言えば、半分近くは離職中ということですが……。

それに対し看護師さんは、150万人が就労しているそうですから、言語聴覚士はかなり少人数であることがわかりますよね。特に介護施設や訪問リハビリなどでは、ニードが高いのに、言語聴覚士が非常に少ないことが問題となっています。

言語聴覚士が少ない。さて、これが私たちにどう影響するのかという部分が重要です。 先ほどアメリカではこの分野が発展していると書きました。

そう、大げさに言えば、同じ障害で倒れた場合、保険制度による格差の問題を抜きにすれば、アメリカで倒れた方が、復帰が早いということになります。

また、日本でコミュニケーションの障害をもつと、十分なリハビリを受けられるかどうか、関わった病院によって差が生じる可能性が非常に高いです。確かに、日本でもリハビリテーションの研究はされていますし、実際に行われている病院もあるのですが、歩行などの身体リハビリにくらべて、病院による差がとても大きいのです。

また日本人ならではの問題もあります。それが今回のメルマガのテーマです。

病気や怪我を医師に治療してもらったあと、リハビリの出番になります。その時に、私たち日本人は、若干の不安、例えば「これでは元通りの生活に戻れないかもしれない。」「もっとリハビリを受けた方がいいのかも……」とチラッと思っても、なかなか医師には言い出せない人種です。

「セカンドオピニオン」という言葉もようやく耳慣れてきましたが、まだまだ「この先生には命を助けてもらったので」「この先生には長いことお世話になっているので」などと思うと、「不安なところがあるのです」とか「他の先生で再検査してもいいでしょうか」とか「他の病院に移って調べ直してもいいでしょうか」ということが言い出しにくいものです。

でもそうやって遠慮しているうちに、回復の機会が徐々に失われていきます。

国民性からも、日本の医療現場は遅れていると言えるでしょう。そう「患者力」が弱いのです。

自分から「もっと言語訓練をしてください」「もっとリハビリをしてください」と申し出ることが重要です。

そんなことをしたら、迷惑がられるのでは?とか、うるさい家族だと思われるのでは?と感じることなかれです。

病院側としては、申し出のあったことに関しては、むげにはできません。もちろん思い通りに意見が通らないこともありますが、だからと言って遠慮してはだめなのです。

そして、言語聴覚士にとっても、そのような申し出があった方が本領発揮できるチャンスです。

後回しにされているコミュニケーション分野で、力を発揮し、ニーズが増えれば資格を取る人も増える。そうすれば、リハビリの機会も増え、患者も助かる。そういう好循環がうまれるはずです。

私たち医療の現場でも日本の医療が立ち後れることのないよう頑張りますが、患者さんにも是非、声を出して患者力を発揮してほしい。双方の努力が必要。私はそのように考えます。

2 田植えで拡がった繋がり

代表の石原玉美です。5月半ばの日曜日、実家の島根県にて田植えをしてきました。ただ田植えをするのでは面白くないということで「田植えイベント」と企画し、「交通費は実費なんですが、来たい人いますか?」と呼びかけたところ、なんと関西から3名、首都圏から1名の参加者が集まりました。

当日はあいにくの雨。晴れていればこの時期の田んぼは最高なのですが、雨でも、動画を撮ったり、カエルを捕まえたりしながら、カッパを着て、長靴を履いて、皆さん、大いに田植えを満喫してくださったようです。

田植えの後は、収穫した採れたて野菜で母が料理を作り、全員で食べました。皆さん美味しいと仰ってくださり、母も嬉しかったと思います。 そして今回の参加者の方は、看護士さん、セラピストさん、栄養士さんと医療関係者が多く、これからReジョブ大阪の活動にも関わってくださるとのお話もあり、とても心強く思いました。

行動することで新たな繋がりが生まれることを実感した田植えイベントでした。

3 402円の衝撃!

理事の松嶋です。Reジョブ大阪の中で、私だけ医療の世界とは縁遠いところで働いてきた人間です。だからこそ、一般市民代表としてこの仕事に携わって感じたことを、毎回、メルマガの中でお話ししていきたいと思います。

今回は402円の話です。これ、何の値段か分かりますか?

お手紙をポストカードと一緒に本にはさみ、封筒に入れ封をし、宛名ラベルを貼る。私たちが作った『知っといてぇや これが高次脳機能障害者やで』の本、134冊を送るのに経る、この3工程を、就労支援施設に依頼しました。その代金が402円だったのです。

134冊×3工程で402円。つまり1工程1円です。もちろん、障害者の就労訓練の一貫ですし、行政が決めた価格ですし、障害者に損はないし、なのですが、その理屈が分かっても、私はこの402円に愕然としました。

皆さんの中には、クラウドファンディングのリターンで本を買った人がいると思います。中に入っていたお手紙、カード、それを挟んだのは、障害者の方です。その封筒に本を入れたのも、封筒に宛名ラベルを貼り付けたのも、障害者の方です。高次脳機能障害者である著者の下川さんもこの施設で訓練をしています。麻痺のある左手は使えないので、右手だけの作業です。私は下川さんの作業の様子を写真で拝見しましたが、左手は麻痺があるので、右片手で一生懸命封入していました。

その作業が1工程1円。私はこの驚きを忘れないでいたいです。

追伸 その後、「時給102円にアップしました」という患者さんのお話に失神しそうになったことは言うまでもありません。

4 Reジョブ大阪より お知らせ&活動報告

☆活動報告☆

1『知っといてぇや これが高次脳機能障害者やで』販売中!

2毎日新聞に著者下川さんの記事掲載(2018/5/3)

3Reジョブ大阪主催イベント2件

☆お知らせ☆

1 Reジョブ大阪主催イベント 6月3日 出張くるみ亭@東京 アサーティブを軸にした人と人とのより良い関係作り ​6月7日 高次脳機能障害についての読書会

2『知っといてぇや これが高次脳機能障害者やで』出版記念パーティ 7月14日予定 東京 7月28日予定 大阪

それぞれについて、詳細はReジョブ大阪のサイトへ! re-job-osaka.org

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓  発行   NPO法人Reジョブ大阪   MAIL npo.rejobosaka@gmail.com   URL re-job-osaka.org ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ *Reジョブ大阪のメールマガジンを第2号以降も購読したい場合は、是非、支援もできる賛助会員への登録を! re-job-osaka.org/nyukai

Copyright ReJobOsaka. All Rights Reserved.

※5月23日の発行時、以下の数値に誤りがありました。訂正してお詫び致します。

誤 スピーチの国であるアメリカでは、言語聴覚士協会は200年前に設立され、

正 スピーチの国であるアメリカでは、言語聴覚士協会は100年前に設立され、

誤 女性の憧れの仕事トップ10内に毎年ランクインしており

正 女性の憧れの仕事トップ12内に毎年ランクインしており

誤 有資格者は約1万5千人で女性が7割超、このうち半分が就労しています。

正 有資格者は約3万人で女性が7割超、このうち半分が就労しています。