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熱い思いで気づくこと

Reジョブ大阪、代表の石原玉美です。

1月7日、私たちが主催するクラウドファンディングで、出版資金を集めている本の著者Sさんと、そのご一家、親類の方々と会ってきました。

まず、著者のSさん、弟さんと駅で待ち合わせ、Sさんのご家族とそのご友人が待つ飲食店へ向かいました。

今回の目的は、出版趣旨の説明です。もちろん著者のSさんご自身は趣旨を理解していますが、この出版には長いいきさつがあり、紆余曲折しました。そのことについては、またどこかで皆さんにお話しできる機会があればと思います。今回、クラウドファンディングという新しい手法で資金を調達するにあたり、Sさんの障害によるコミュニケーション不足、また私たちの立ち場の説明不足により、不必要な誤解が生じないよう、是非とも何度も直接顔を合わせることが何より大切です。「クラウドファンディングって何?」という人にも、私たちの誠意が伝わらないといけません。

Sさんのご友人が経営する飲食店の和やかな雰囲気の中、Sさんの手記を出版する説明を、西村はとくとくとSさんのご家族とご友人に説明しました。

ご家族、ご友人にとっては、この「クラウドファンディングによるSさんの出版」の詳細を、Sさん本人以外から初めて聞く時間です。Sさん本人が、希望的観測だけで話すよりも、私たちが事務的に話した方が、素直に、誤解なく聞けるかもしれないと思っていました。

ところが、Sさんのお父様とご友人、さすが商売人です。「その本は売れるんか?」「出版は厳しいぞ」と厳しい質問や意見が次々に飛んできます。しかしこちらも必死です。西村は「高次脳機能障害の実態を、もっと知ってほしいんです」「医療系専門学校や病院の研修ではニーズがあります!」と、熱い回答。私からも「クラウドファンディングで予約販売という形を取る予定ですが、既に注文が入っていますし、私も注文を取っています。」と思いを伝えました。そして「皆さん、Sさんの手記、『売れるんか?』ではなく、売りましょう!」と言った時、西村も「はい!石原さんはもう売ってるし、これからも、今からでも売ってきます!」と。Sさんご自身も「ぼくは、命がけで書きました!」の言葉が出ました。

ご本人のSさんから「命がけで書きました」と言われると、いつも涙が出そうになります。厳しいお父様、そしてご友人とて、反対というわけではありません。「その本は売れるんか?」も、心配しての言葉でした。

「Sさんに社会復帰してほしい」という思いは、私たちと同じ、いえ、それ以上で、Sさんから「命がけで書いた」と言われれば、「よし、是非とも出版して、世に届けよう!」という雰囲気になってきました。すると、Sさんのお母様から「本の予約、もう2人からもろてきたで」と頼もしいお声。さすが、大阪マダムです。お母様はめちゃくちゃ面白い方でした。Sさんの弟さんも「協力します!」と暖かいお言葉をくださいました。お父様のご友人も「この子は、子どもの時からよーく知っているから、協力したいんや!」と、厳しい言葉の中に、力になりたいという思いがひしひしと伝わってきました。やはり直接話す言葉、本人の真剣な姿には心が動かされるのだと思いました。

確かに、出版は厳しい世界ですが、今はkindle出版やオンデマンド印刷など、費用を極力下げられるようになってきました。低予算でまず本を作って、クラウドファンディングで宣伝して、広めていく。そして、出版社にも声をかけていく。とにかく、一人でも多くの方に、高次脳機能障害の実態や、具体的にどうしたら支援できるのかを知ってほしいのです。私は、宣伝にも、もちろん回ります。スムースにいかないことも多々ありますが、頑張っています。

お店を出る際に、このお店の方にも、今回のお礼と出版の紹介をいたしました。すると「協力しますんで、頑張ってくださいね!」と暖かいお言葉をいただきました。お料理もとっても美味しかったです。ありがとうございました。

Sさんの「命がけで書いた」という言葉は、それぞれの立場の人の思いを熱くし、それぞれの心の中の何かを突き動かしたと感じました。

がんばるぞー。

クラウドファンディング実施中!

なんと、支援者が100名を超えました。みなさんの温かいお心に感謝申し上げます。

障がい者の社会復帰支援 第一弾プロジェクト!出版費用を集めたい!