音楽的要素を取り入れたリハビリ

まいど。NPO法人Reジョブ大阪の松嶋です。実は音楽活動もしています。その関係で「音楽」には様々な意味で興味があります。また本業は国語教師でもあります。その関係で「言語」は専門分野です。そしてリジョブの理事でもあります。その仕事の関係で三鷹高次脳機能障害研究所の関啓子とつながりました。この三つがそろったもの、関先生との関わりで出会ったのが「MIT」です。
MITは、Melodic Intonation Therapy(メロディックイントネーションセラピー)の頭文字をとったリハビリ療法。米国で提唱されたプログラムです。その日本版を研究開発しているのが関先生というわけです。
リジョブ理事長の西村が非常に興味を持ち、西村が関わらせていただくはこびに。私も昨年、その講義を関先生の研究所で受講しました。私は言語聴覚士ではないので、詳しいことは西村に譲りますが、個人的に「音楽」と「言語」が結びつき助け合って、失った能力を引き出していく様は衝撃的でした。そして可能性を強く感じました。
私はあちこちの失語症当事者会にお邪魔していますが、ほとんどの当事者会は、その会の中で歌のコーナーがあるんですね。初めてその様子を見た時、話せない失語症の人が歌を歌えるのを見て、心底驚いたのを覚えています。もちろん全員ではありませんが、昔覚えた音楽を、言葉としてではなく「音楽」そのものとして歌う時、「言葉」がツーっと出てくるらしいのです。MITでは、左側の手を振ったり軽く触れたりして、音楽を司る右脳に刺激を送りつつ、メロディーに乗せて訓練をします。すごくないですか?
西村と受講した時はなぜか「たこやきたべたい」が例文で(笑)大阪らしくて面白いと思ったのですが、平坦な抑揚のように思える日本語でも「たこやきたべたい」にはメロディーがあります。「たこやきやべたい」の場合は「こやき」と「べたい」が高くなります。言ってみてください(笑)
絶対音感のある私は、多分、楽譜が書けると思います。関先生、是非私のこの行き場のない能力を使ってください(笑)
で、実はリジョブの当事者会でも私がギターを弾くときがあり、失語症の人にメロディーに乗せて言葉を発してもらったことがあります。zoomだったので遅延もありうまくいきませんでしたが、これ、しっかりした環境でやればできそう!と思った瞬間でした。というか、ちゃんと習おうよ!(笑)
で、私のような素人が勝手にやって、当事者に遠回りなリハビリをさせてもあかんので、ちゃんとプログラムを受講したいですね。
東京都立産業技術大学院大の佐藤正之特任教授は、関先生と共に普及団体の「日本メロディックイントネーションセラピー協会(日本MIT協会)」を設立しました。関先生は、講座の教材を作成中。「今年秋には言語聴覚士や一般の人向けのオンライン講習を始めたい」とのことです。私ももちろん受講したいです!
この記事が新聞等に掲載されました。西村もいます。
https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210711/hea2107110002-n1.html
MITについてはまたお知らせしていきますね!