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家族がまず幸せになりますよう

自宅で介護を担っている家族だけが参加する家族会「くるみの森」を開催しました。

介護している人はなかなか一人で外には出られないものですが、NPO法人Reジョブ大阪の家族会は、その参加対象を、あえて「家族」だけに絞っています。

なんでこんな事ができない?

高次脳機能障害者や失語症の人は、日常生活におけるあんなことこんなことが難しくなっていることが、退院して自宅に戻った時にわかるものです。

なぜこんなこともできないの?

なぜそんなところで怒ってしまうの?

そういうことがたくさんあります。本人だけでなく、多くの家族が驚き戸惑います。入院中、病院における生活は非常にシンプルで、ルールに沿った受動的な生活。活動範囲も思いっきり制限されています。だから問題が少ないのです。それが、自宅に帰り、複雑な日常の環境に戻ると、本人や家族からすると当たり前のことができず、そのストレスから、ついお互いが怒ってしまうことは、どの家庭でもあるものです。

そして、できないことのすべてには原因があります。脳の障害を持っている方の特性をお伝えし、説明をしました。

うちだけではないんですね、ホッとしました。

あ、そういう理由だったのですか。

少しわかるだけでも、介護の負担感は違うとおもいます。

社会参加とは?

多くの家族が望むのは、社会参加の場が欲しい、社会とつながって欲しいということ。

実際、話す相手が家族しかいない、仕事関係の友人は離れてしまった、外に出ることを本人が嫌がるなどはよくあります。

確かに、いざ、新しい人間関係を作ろうとしても、私たちだって難しいものです。

ただ社会参加といっても、本当はいろんな意味があるのです。「社会参加」と聞いて私たちがイメージする「たくさんの人の輪の中に入り、楽しく時間を過ごす」「そうした場に積極的に関わる」というだけが社会参加ではありません。本人が「今できることで何か他人と関わること」これが社会参加です。

インターネットのおかげで、社会参加の選択肢は増えている気がしますが、そこに本人、家族、なによりも支援をしている私たち医療や福祉関係者の気づきが薄いかもしれません。

家族は何をすべきか?

家族の一人が病気になった、後遺症が残った、そうなると多くの家族は「少しでも良くなるためなら何かをしてあげたい」と思うものです。自分のことはいつも後回し。

でも本当に介護される人が幸せになるためには、介護する側の家族が幸せでなくてはいけないのです。日本は「家族が介護して当たり前」とか未だに公言する人が多いのですが、そのために、まずは家族ケアが必要です。私は介護する家族に「介護手当」を現金で出して、月に1回くらいは楽しい時間に使って欲しいと以前から思っています。

もし、介護をしている人がそばにいる場合「病人を置いて出かけるなんて」などと言わず、「いつも大変なんだから、今日くらい楽しんできて」と言ってあげて下さい。何度も何度も言われても、それでも「残して出かける罪悪感」はどこかにあるものです。でも、介護する人が楽しい時間を過ごすことが、本当は介護される人にとって一番良いことなんです。

家庭ではどんなリハビリをしたらいいですか?という問いに、

「あなたが楽しい時間を定期的にとってください」

「今までの家族の関係を壊さずに。できないことを責めないだけで十分です」

「できる範囲で、普通に声をかけてください」

この3つを伝えています。

NPO法人Reジョブ大阪の家族会「くるみの森」

それぞれの家族の悩みを聞きつつ、アドバイスをお伝えする家族会です。

あなたがまず幸せになってくださいね。

毎週第3土曜日に開催します。参加費は、家族は1000円で軽食付きです。

くるみの森で、ほっこりしましょう。

次回は10月20日(土)11時〜です

まずは登録を。登録はこちらです。 https://goo.gl/forms/P3GwQjgrEzlC9Lhf1

NPO法人Reジョブ大阪 理事

言語聴覚士 西村紀子