診断がつくまで20年!? 「なんかおかしい」状態がずっと続くこと
まいどー!リジョブ大阪の松嶋です。東京在住です(笑)
もっと高次脳機能障害のことをもっと知りたいと思い、今年、地元東京都小金井市の「いちごえ会」に入会しました。高次脳機能障害の家族会です。
会長の増村さんには月に何回かお話を伺いに行っていますし、当時者会にも参加しています。先日、クリスマス会に参加しました。
詳しいレポートは「いちごえ会」のサイトに載ると思いますので、そちらを。
一般人みたいな感想やけど
私が高次脳機能障害のことを知ったのはここ何年かのこと。
理事で言語聴覚士の西村さんのブログを読んで、
「は?どういうこと?なんでこんな大変な障害なのに、国はなんでこんな対応しかしてないの?」と、
半ば怒りのエネルギーを原動力にNPO立ち上げに関わり、理事もするようになりました。
恵まれたことに、これまで家族の誰にも障害や大病もなく、つまり、介護の経験もなく人生を送ってきました。
ですから、高次脳機能障害者に関する「感想」というか、「感覚」としては「一般人」に近いと思います。
だからこそ、伝えられるものがある。そう思っています。
今回、皆さんにお伝えしたいのは「診断がつくまで20年近くかかった」という話。
いちごえ会に限らず、高次脳機能障害の当時者会では、自己紹介の際、自分の病歴や経歴を皆さんお話しします。
- 仕事中に高いところから落ちた
- 道路を走っている時、追突された
- 子どもの時、自転車で転んだ
こういうことで病院に行き、外傷は治って退院です。
ところが、いざ、仕事に戻る、学校に戻ると、前の自分に出来ていたことができなくなるらしいのです。
症状は様々ですが、その怖さを話してくださる皆さんの表情は真剣です。
- 人と会話をしながらでもできていた作業が、たとえ集中してもちっともできない。
- 昨日どこまで仕事が進んだか思い出せない。
- 仲間が初対面のような気がする。
- 何回数えてもいくつあるか分からない
- 仕切っていたはずの仕事の内容が分からない
- 相手が何を言っているのか分からない
- 電話が取り次げない
- 自分が言いたい気持ちが言葉で出てこない
症状がうんと重いと、回りも家族も、そして本人も「これはおかしい」ともう一度病院に行くこともあるようですが、症状が軽いと「なんかおかしい」という状態のまま、何年も「努力」の暮らしが続くようです。
もちろん人により対応もそれぞれですし、病院に行っても「別になんともないけど?」と言われることもあるのだとか!
あなたならどうしますか?
「なんかおかしい」と思って、病院に行ったら「別になんともない」と言われたら。
「診断がつくまで20年かかりました」
私には21歳の息子がいますが、彼が生まれてから今くらいの年になるまで、それくらいの長い間「なんだかおかしい」が続き「自分は仕事が出来ないだめな人間だ」「自分は、人とコミュニケーションが取れない性格なんだ」という悲しい結論に至ったとしたら? 私が感じたのは絶望感です。しかも私はこうして文章にできますが、それが障害のせいで出来ないのです。
その気持ちを想像すると、涙が出てきます。
性格や人格のせいじゃない
もちろん私が知っているその人たちは、今は診断がついています。
確かに診断がついたからといって、すぐに治るわけではありません。
でも、「診断」は正しいスタートが切れると思います。
「なんかおかしい」が「障害のせいでできない」となると、スタートラインに立てる。対応が取れる。
少なくとも「性格」や「人格」のせいじゃない。
そして私たちのように「助けたい」「なんとかしたい」と思う人たちとつながれる。
次回は、中途障害のショックについて語りたいと思います。
いちごえ会